むち打ち症は、正式名称を「外傷性頚椎捻挫」という
一般に「むち打ち症」といわれる症状は、正式名称を「外傷性頚椎捻挫」といい、頚椎部を捻挫して、首やその周辺に痛みが現れる症状のことをこう呼びます。
その原因の多くは自動車事故によるものが最も多く、他にも労働災害や、ラクビーやサッカーなどの激しいスポーツによって引き起こされることもあります。
この症状の大きな特徴として、事故に遭ったその日に現れることはあまりなく、2~3日後か、長い場合には2週間くらい経ってから、首や肩の痛み、肩のコリ、耳鳴り、頭痛、目眩、吐き気など様々な症状となって現れてきます。
戦闘機のパイロットの症状が「むち打ち症」の名の起こり
この呼び名の始まりは、古く第一次世界大戦のころまで遡り、当時、戦闘機に乗り込んだパイロットたちが搭乗後に、頚部痛、上肢の痺れ、頭痛、吐き気、耳鳴りなどの症状を訴える者が続出したことに起因します。
その原因を調べてみたところ、発進時の加速と、着陸時の急減速によって起こる首への強い衝撃であることが解り、その時の状態が「ムチのようにしなり打つ動きに似ている」ことから「むち打ち症」と呼ばれるようになりました。
1950年代以降、自動車の保有台数の増加と共に自動車事故が増え、むち打ち症も急増する
発生当初は、このように戦闘機のパイロットに多く見られた症状でしたが、 21 世紀の現代では、その原因の多くが自動車の追突事故によるものが増えてきています。
日本でこうした症状に悩まされる人が増えてきたのは1950年代からで、モータリゼーションの発達にともなって自動車の保有台数が増え、追突による自動車事故が続出し、むち打ち症になる人も急増していくようになってしまいました。
西洋医学の治療では、むち打ち症への有効手段を持たない?
しかし、このようにむち打ち症患者が急増しているのにも関わらず、その治療に関しては、レントゲンやカラー固定、投薬、経過観察といった内容が一般的な治療でした。
理学療法を主体とする総合病院や整形外科等、西洋医学の治療では、これといった有効手段を持たないため、長期間加療しても治癒することが難しく、むち打ち症は治り難い病気の一つと見なされるようになってしまいました。
自然治癒力を最大限に引き出す柔道整復師の技術
むち打ち症のような「捻挫型」の病気には、接骨院や整骨院で治療に当っている柔道整復師の技術が適していると私たちは考えています。
柔道整復師の治療法は、手術・注射・投薬などの外科的手段によることなく、徒手整復という独特の手技によって施術を行います。
具体的には、骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷などの外傷に対して、整復・固定・後療などの施術を行って、人間が本来持っている自然治癒力を最大限に引き出して症状の改善を図っていくからです。